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2015-05-05

鳴龍の秘密~フラッターエコー

世界遺産でも有名な日光東照宮 薬師堂には「鳴龍」の間があります。
こちらでは、龍の顔の下で拍子木をたたくと、通常のカーン、カーンという音がキーン、キーンという音で響いて聞こえてきます。
日光東照宮自体は一部消失や増築がありますが、徳川家康没後に建築が進められていきましたので約400年前の建築物になります。
はてさてこの不思議な現象、皆さんはどのように推理されますか?

答えは、天井部分にしかけられた「むくり」という凹凸物になります。
普通の天井は平たんな為、音が一定に反射しますが、天井に凹凸をつけることで不規則に跳ね返りが起こります。
そして、音には周波数という長さの違う波がありますが、この波がぶつかることで特有の音・残響時間が発生します(もしくは打ち消しあう)。
この現象の解明は1965年の研究によって解明されております。

しかし、実はまだ解明されていない秘密があります。
実はこの鳴龍現象(フラッターエコー)、偶然天井に止まった鳩を追い払うために手をはたいた時に見つかったそうです。
ほかにも、江戸時代には床に畳がしいてあり、畳を除いたら聞こえるようになったとか。
畳は吸音効果があるので、反射が起こりにくくなります。
つまり江戸時代には鳴龍現象は起こっていなかったのです。

では、誰が・何のためにこの構造を考えたのでしょうか?
江戸時代に音響専門家はいませんし、もしかしたら修復の時に誰かがこだわったのか、信仰心のあらわれか?
この謎は神社関係者、建築・音響関係者、歴史専門家の総合的な検討を加えないと解明できない秘密のようです。

参考)佐藤武雄、石井聖光、平野興彦
「日光東照宮の”鳴き竜”復元に関する調査研究」
日本建築学会論文報告集
昭和40年9月


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